「歯科医院のInstagramで、何を投稿すればいいか分からない」。そのときは、流行の投稿を探す前に、受付や診療室で繰り返し受ける質問を一つ書き出してみてください。「初診では何をするの?」「見学で院内を見られますか?」など、来院や応募の前に確かめたいことが、投稿の題材になります。
決める順番は届ける相手 → その人の疑問 → 医院として伝える事実 → 投稿後の案内先です。この記事では、この順番で実際の投稿文案を組み立て、無理なく1か月分を準備する方法を紹介します。
集患と採用では、同じ写真でも見せ方が変わる
患者さんが知りたいのは「この医院に相談して大丈夫か」「初診で何をするか」。採用候補者が知りたいのは「どんな仕事を任されるか」「誰と、どう働くか」です。院内の受付写真も、患者さんには来院時の安心材料、応募者には職種間の連携を見せる素材になります。
- 患者さん向け:初診・診療方針・院内の過ごし方などを伝え、「初診のご案内」や予約ページへ案内する。
- 採用候補者向け:業務・教育・スタッフの関わり方などを伝え、募集要項や医院見学のページへ案内する。
両方に発信する医院でも、1本の投稿で予約と応募を同時に求める必要はありません。誰に読んでもらう投稿かを先に決めると、表紙の言葉も最後の案内も具体的になります。
投稿ネタは「よくある質問」から拾う
まず受付、診療室、採用担当から、実際に受けた質問をそれぞれ3つ集めます。「定期検診について」などの大きな題ではなく、「痛みがなくても受診した方がいい?」「初診のとき、子どもを連れて行ける?」のように、相手が使った言葉で残します。答えは医院の運用や方針によって違うため、投稿にする前に担当者へ確認します。
候補ごとに次の4点を一行で書けば、企画の可否を判断できます。
- 誰の、どの場面の疑問か
- 医院として確認済みの答えは何か
- その答えを示す写真・図・スタッフの言葉があるか
- 読後に見てもらうページや行動は何か
たとえば「初診では何をするの?」に対して、医院の実際の流れを確認でき、受付と診療室の写真が用意でき、初診案内ページがあるなら、1本の投稿にできます。逆に、まだ決まっていない所要時間や対応を先にデザインへ書き込まないようにします。
作例:「初診では何をするの?」を5枚の投稿にする
以下は、初診時に「問診・お口の状態の確認・説明」を行う架空の医院を想定した制作例です。実在の医院の事例やDENTAL GROWの運用実績ではありません。流れ、写真、予約方法は、自院で事実確認した内容へ置き換えてください。
- 表紙:「初診では、何をするの?」。受付の実際の写真を背景に、質問を大きく載せる。
- 2枚目:「まず、困っていることを伺います」。話しておきたい症状や不安を書き添える。
- 3枚目:「お口の状態を確認します」。検査の内容は医院の実際の流れに合わせる。
- 4枚目:「分かったことと、今後の進め方を説明します」。症状や当日の状況で対応が変わる点も伝える。
- 5枚目:「持ち物・予約方法は『初診のご案内』へ」。プロフィールから移動できるページ名を、実際の表示と揃える。
キャプションも表紙と同じ疑問から始めます。仮原稿は次のようになります。
「初診で、いきなり治療が始まるの?」と不安な方へ。当院ではまずお困りのことを伺い、お口の状態を確認したうえで、分かったことと今後の進め方をご説明します。当日の対応は症状などによって異なります。受診前に聞いておきたいことがあれば、予約時にお伝えください。持ち物と予約方法は、プロフィール内の「初診のご案内」にまとめています。
撮影するのは、受付の案内場面、診療室の入口、説明に使う資料など。写真だけで実際の受診の流れが誤解されないかを確認します。患者さんが写り込む場合は、撮影・掲載の可否と使用範囲を事前に確かめてください。
同じ受付写真を、採用向けに使うなら
表紙を「初診の日、受付と診療室はどう連携する?」に変えます。続くページでは、受付で聞くこと、歯科衛生士へ引き継ぐこと、困ったときに相談する相手を、実際のスタッフの言葉や動きで紹介します。最後の案内先は予約ではなく、募集要項や医院見学です。医院見学を実施していない場合は案内しません。「スタッフ同士の仲が良い」だけでは伝わりにくい働き方を、具体的な場面で見せる投稿です。
1か月4本なら、制作担当と確認先まで決める
週1本は、始めるときの仮の本数です。撮影や確認に時間がかかる医院なら、月2本でも構いません。下の例は集患と採用の両方を発信する場合。どちらか一方が目的なら、テーマをその目的に寄せます。
- 1週目|初診で何をする? 受付担当が質問を集め、広報担当が受付写真と初診案内を使って作成。受付・院長が流れを確認し、「初診のご案内」へ案内する。
- 2週目|説明で大切にしていること 広報担当が院長へ短く取材し、実際に使う説明資料を撮影。院長が発言と診療内容を確認し、該当する診療案内へ案内する。
- 3週目|初診時のスタッフ連携 採用担当が受付と歯科衛生士の仕事場面を集める。写る本人と採用担当が内容を確認し、募集要項へ案内する。
- 4週目|来院前によく聞かれること 受付担当が駐車場・持ち物・連絡方法など、実際の質問を一つ選ぶ。掲載情報を受付が確認し、アクセスまたは初診案内へ案内する。
月初に4本の題材、素材、原稿担当、最終確認者、公開日を一枚の表にまとめておくと、「写真はあるのに確認が終わらない」を減らせます。スタッフの撮影許可や院長の確認が必要な投稿は先に着手し、撮影できない週に備えて、文字と図だけで作れる質問投稿も用意しておきます。
公開後は、目的に近い動きを見る
「いいね」が多い投稿を、そのまま予約や応募に効いた投稿とは判断できません。患者さん向けなら投稿の閲覧からプロフィール閲覧、サイトへの移動、予約・相談まで。採用向けなら募集ページや見学案内への移動まで、確認できる範囲で順に見ます。予約や応募の経路を把握するには、リンクの計測設定や問い合わせ時の確認も必要です。
- 投稿は見られたがプロフィールが見られない:表紙と本文が、医院を知りたい人の疑問に答えているか見直す。
- プロフィールは見られたがサイトへ進まない:プロフィールの説明文とリンク名が、投稿の案内と一致しているか確かめる。
- サイトへ進んでも問い合わせにつながらない:リンク先に必要な情報と次の行動があるか確認する。少数の反応だけで投稿の成否を断定しない。
振り返りで次月の質問を選び直します。直近の再生数だけを見て、用意済みの4週目を慌てて差し替える必要はありません。
医療表現と写真は、投稿ごとに院内確認する
厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版」は、SNSのプロフィール、投稿、返信、ハッシュタグも医療広告に当たり得ると説明しています。また、一つの投稿を単独の広告として扱い、必要な情報がその投稿から一体的・一覧的に確認できることを求めています。自由診療の治療内容・費用・主なリスクや副作用を、別のSNSや分かりにくいリンク先へ預ける前提で作らないことが大切です。複数の投稿や返信で情報を示す場合にも、読み手が一連の情報を容易に確認できるかを慎重に確かめます。
公開前には、診療の説明が自院の実態と一致するか、効果や期間を言い切っていないか、写真の掲載許可があるかを、院内の責任者と確認してください。治療前後の写真や患者さんの感想を使う企画は、通常の院内紹介より確認事項が増えます。疑問が残る表現は公開を急がず、元の説明とガイドラインに戻って確認します。
最初の1本は、昨日受けた質問から
質問を一つ選び、「自院ではどう答えているか」「その場面を何で見せるか」「読後にどこへ案内するか」を書いてみてください。これだけで、よくある豆知識とは違う、その医院に必要な投稿の輪郭が見えてきます。
歯科衛生士の募集に絞って考えたい方は、採用Instagramの投稿設計と医院見学へのつなぎ方も参考にしてください。DENTAL GROWでは、医院への聞き取りをもとに、投稿の企画・制作からプロフィールと案内先の設計、公開後の振り返りまで支援しています。患者さんに向けた発信は集患Instagram運用支援、働く姿を伝える発信は採用Instagram運用支援をご覧ください。
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